手のしびれはすべて首が原因というわけではありません。手根管症候群とは手首のところで正中神経という神経が圧迫されて手がしびれる疾患です。人差し指や中指、親指にしびれを感じることが多く、特に夜中から朝方にかけて強くしびれてまれに痛みを伴います。初期は痛みとしびれだけですが、進行すると親指の付け根の筋肉がやせてきて、指先の細かい動きがしにくくなります。原因ははっきりしないことが多いですが妊娠前後や更年期の女性に多く、手首の骨折や仕事での使いすぎも原因になります。診断は頚椎の疾患の除外は必要ですが、示指と親指できれいなOKサインが出来なかったり、手関節を手のひら側に曲げてしばらくするとしびれが生じたり、手首を叩いて指先にしびれが響けば本疾患を疑います。
初期の場合はビタミン薬の内服や副子などによる局所安静、ブロック注射で改善しますが、進行すれば手術が必要になりますので思い当たる方は早めの受診をお勧めします。