背中が曲がったり身長が低くなる原因の一つに骨粗しょう症による圧迫骨折があります。圧迫骨折は尻もちや転倒などの軽いけがで発生し、寝起き動作や立ち上がり動作時に痛むのが特徴です。また強い変形が残った場合には鈍い痛みや疲れが持続し、心肺機能が悪化して生活の質(QOL)の低下につながります。
治療は圧潰(あっかい=圧力が掛かって潰れること)の程度が軽い場合にはコルセットなどで体幹を固定して治療しますが、圧潰がどんどん進行したり頑固な痛みが続く場合には手術が必要になることもあります。最近では小さな切開から折れた背骨の中にセメントを注入する椎体形成術と呼ばれる手術も行われるようになりその治療法は日々進歩しています。
これからの季節寒くなり転倒する危険性が増えますが、骨折を起こさないためにも骨粗しょう症の予防と治療が重要です。日頃からの食事と運動に加えて骨粗しょう症の検診を受けて、骨密度の低い方は早期に治療を開始し寝たきりにならないように心掛けましょう。