成長期の小中学生の野球の投球やテニスのサーブなど、肘関節への繰り返される動作が誘引となって発症するスポーツ障害を野球肘といいます。野球肘には主に内側障害と外側障害があり、内側障害は内側の骨が靭帯や筋肉に引っ張られることで骨がはがれ、外側障害は逆に骨同士がぶつかることで軟骨が損傷されます。いずれも投球時の肘の痛みや、完全に伸ばせないなど肘の動きが悪くなりますが、診断はレントゲンやMRIなどを症例に応じて行います。
治療は内側障害の場合は数ヶ月の肘の運動制限でほとんど場合は治りますが外側障害ではまれに手術が必要になることもあります。また予防も重要で、腕以外の腰や足など全身のストレッチに加えて投球フォームのチェックと正しいフォームの獲得が必要です。子供さんの場合は早期発見と早期治療が大切ですので、少しでも肘に違和感を感じた場合には早い段階での専門医への相談をお勧めします。