腰椎分離症とは腰椎の疲労骨折のことで、腰痛を訴える成長期のスポーツ選手では念頭に置くべき疾患のひとつです。その症状は背中を反らしたり捻ったりして痛みが強くなるのが特徴ですが、前屈が制限されることもあります。診断はレントゲンで判る場合が多いですが、分離の初期の段階では判別が困難で、MRIやCT検査が必要になります。その治療も分離の段階や程度によって違い、初期の場合には背屈防止のコルセットを着用して3ヶ月~6ヶ月くらいはスポーツ活動を制限あるいは休止して骨をくっつける努力をします。明らかに骨折部が離れており骨癒合が期待できない場合には薬や注射といった痛みのコントロールに加えて、腰椎を安定化させる体操やストレッチを行います。
しかし完成した分離症では保存療法を行っても痛みが改善せず、さらにすべり症になって手術が必要になることもありますので、その予防には普段からのトレーニング方法や時間の再考と、腰痛が持続する場合は早期の受診をお勧めします。